銀龍コラム及び代理実務
中国の最近のOAの詳細動向
分 割 出 願
2025.1.21に、下記のWEBセミナを開催させていただきました。
『中国の最近のOAの詳細動向』
そのセミナの補足内容として、分割出願についてご紹介いたします。
分割出願は、親出願の原請求項に対する別ルート補正の内容の権利化を実現する手段です。
つまり、創出された発明を漏れなく権利化するための重要な手段です。
そして、権利化段階において、分割出願の可否を検討するケースが少なくない状況であると考えられます。
(弊所でも、分割出願できないかというご相談をよくいただきます)
一般に、そのような分割出願については、
時期・客体の要件、孫出願との関係、すなわち登録要件・手続面に注目されることが多いです。
その時期的要件の概要は、次のとおりです。
01 親出願が国家知識産権局に係属している間
02 特許査定から2か月以内
03 拒絶査定から3か月以内(復審を請求しない場合)
そして、分割出願を利用したいという状況は、通常、次のような状況です。
ある出願の出願当初のクレームに対して、補正Aを行って審査が進んでいる
↓ ↓ ↓
その出願が登録または拒絶
↓ ↓ ↓
その出願の出願当初のクレームに対して、補正Aのルートではなく、
その補正をリセットした状態で補正Bを行って権利化を図りたい
今回、分割出願をもう少し深掘りしてみたところ、分割出願の提出時期に関して、次のような結果です。
〔 調査対象 〕
中国特許出願 約200件
・出願人:日欧米韓などの外国出願人
・分割出願の提出時期:2022-2023年
・案件状態:査定済
〔 調査結果 ① 〕
分割出願の提出時期の比率は、
親出願の特許査定後:親出願の拒絶査定後:親出願の査定前 = 100 : 31 : 29
〔 調査結果 ② 〕
分割出願の各提出時期の登録率は、次のとおりです。
親出願の特許査定後 → 約88.7%
親出願の拒絶査定後 → 約44.1%
親出願の査定前 → 約78.1%
(登録率:(特許査定 ÷(特許査定+拒絶査定))×100)
〔 調査結果 ③ 〕
技術分野別でみると、分割出願の利用率(=分割出願件数/総出願件数)には、下記の関係があります。
化学分野(10%前後) > 機械分野(6%前後) > 電気分野(2%前後)
(この関係は、登録のしにくさと同じです)
〔 調査結果 ④ 〕
平均の審査周期でみると、下記の関係があります。
・親出願の特許査定後、査定前:
非分割出願と大きな差がみられない
・親出願の拒絶査定後:
ファーストアクションがおよそ6カ月ほど短い
査定までがおよそ4カ月ほど短い
(親出願が拒絶されているという事情が審査官の心証になんらかの影響を与えている可能性がある)
〔 調査結果の ま と め 〕
親出願の拒絶査定後の分割出願の場合、審査官はなかなか登録させてくれないという印象があったので、意外であるという感覚です(イメージよりも登録率が高いです)。
分割出願は、出願当初のクレームに対してすでになされた補正をリセットして別ルートでの補正を行って権利化を図ることができる重要な手段であるため、これまで以上に積極的に検討することが考えられます。
(分割出願は、PPHの申請、遅延審査の申請も併用することにより、より戦略的な活用が可能です)
ご不明な点などがございましたら、お気軽にお気軽にご連絡ください。
また、より詳細な資料の必要がありましたら、ご連絡ください(セミナにお申込みの方には配布済みです))。
以上
北京銀龍知識産権代理有限公司